- 2008/06/22(日) 23:10:47|
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朝からずっと、雨が降り続いている。
サンダルの足元をびしょぬれにしながら、
それでも二人ちょっとはしゃいで、あちこち歩き回る一日。
昨日私がうっかり落としてしまった彼の携帯は、
無事救出したものの、何かと調子が悪く、ドッグ入り。
修理には一ヶ月程掛かるらしい。
『その頃また、東北巡りを終わらせて東京に帰ってくるから丁度いいよ』
と、カラカラ笑ってくれることに感謝。
ありがとう、ホントにゴメンね・・・ (ノ_・、)
途中、お茶に寄ったカフェで、
向かい合わせに座る旅の男の頭に、円形脱毛を見つけてしまった。
東京に帰ってくる少し前には突然湿疹が出て、
『帯状疱疹』と診断されたこともあった。
どちらも強度のストレスが原因。
バイクでぶらり全国一周一人旅。
傍目にはつい、お気楽な毎日に見えるけれど、
身体にも心にも、かなり負荷が掛かっていたことに、改めて気づく。
後日、彼から、その頃のあれこれを綴った長いメールが届いて、
その中に、こんな一節があった。
>逃げられない現実からは目を背けたくなるもの。
>それでも逃げる訳には行かない(笑
--中略--
>謙虚さに欠けた自分の傲慢さから来る感情を、
>その土地のせいにするなんて失礼な話だよね。
>「自分の壁」でずっとそこにある土地とその場所の暮らしを
>「好き・嫌い」なんて勝手な判断で括っていた事を、猛烈に反省...。
旅の生活の中で日々、心に生じては過ぎ去ったはずの些細な感情の数々は、
実はゆっくりと澱のように溜まっていて、時々大きく舞い上がる。
そんな波を、大きく小さく何度も繰り返して、
彼は彼なりに沢山のことを思い、
私は遠く離れて、その波紋を少しだけ、すくい取る。
家に帰ったら随分遅くなっていたけれど、
雨の中車を走らせて、横浜中華街へ向かった。
激しい雨に、巨大な観覧車と港湾の灯りが、ぼうっとふやけて浮かぶ。
以前、長く香港で働いていた旅の男は中華料理が大好きで、
知らない土地で美味しい店を探し当てる勘も、恐ろしい程鋭い(笑。
今回は、お気に入りの広東料理のお店に2軒、連れてかれマシタ。
ココナツの香りのするたれで食べる水餃子だの、
ナンプラー的な調味料で仕上げた炊き込みご飯だの、
ハチノス(牛の第二胃)と野菜の豆豉炒めだの。
・・・ちょっとディープな香港家庭料理メニュー、ウマっ(ノ≧▽≦)ノヤホウ♪
店員さんと広東語で楽しげに話してるのが、ちょっと羨ましい。
言葉が分からないと、何も始まらない。
話せれば、何か始まる可能性が、芽生える。
雨は降る降る中華街。
後ろに座る中国人カップルの借景もあいまって、
一体自分がどこにいるのか分からなくなる。
深夜。
帰り着いたマンションの階段からの夜景は、
雨に煙って明るく、浮かび上がって見えた。
明日の夜はもう、ここにはいない。
一緒にいる時間は、短いんだか長いんだか
いつもよく分からない、不思議な感覚。
雨。
本日の距離:テーブル挟んで、1m
- 2008/06/21(土) 23:20:47|
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最近彼の実家では、おじいちゃんが亡くなってお葬式があったり、
お父さんが少し体調を崩されていたり。
そんなバタバタとしてるところに、
私なんかが のこのこ、押し掛けちゃってもいいんだろうか?
・・・何だか気にかかって訊ねた私に、彼と、ご両親とは口を揃えて
『そんなこと気にしないで、楽しみにしてっから!』と、快く言ってくれた。
ので。
少し安心しながら、それでも、やっぱり緊張しながら(笑。
こんなとき、旅の男の落ち着いた運転が、それだけですごく、心強い。
その人の経験してきたこと、大事にしていること、育ってきた環境。
そんなものが少しずつ、でも決してごまかしきれない強さで
少しずつ日常生活の中に滲み出してきて、その人の輪郭を形作る。
逆に、人から見える自分の姿を思うとそれが、少し怖くもあるのだけれど・・・
静かな住宅街の中にあるそのお宅は、
庭の木が自然の木立みたいに生い茂って、のびのび、しっとりと雨に打たれていて、
・・・その奥の玄関で、写真で見ていた印象よりもずっと小柄なお母さんが、
笑顔で迎えてくれた。
ちなみにお父さんは、近くのケーキ屋さんまでお遣いに出されていた模様(笑。
少し遅れて入ってこられて、挨拶を交わしました。
よく知った人の家族に会う、というのは、
子供の頃以来あまりなくって、
何というか・・・、あぁ、この人はこの家庭の中で育ってきたんだ、と、
会話の端々、笑顔のひとつひとつを前に、しみじみ思う。
食品の加工と輸入を手掛ける彼の実家では、
『家族会議』は、『株主総会』。
・・・以前彼からのメールでそんな話を聞いて、ほえ〜、と思っていたのだけれど。
一緒に食べた夕食が実は、
旅の男が一昨年、インドで探して来た食材で、
現在は会社が海外の工場で作って輸入しているもの、だったらしく。
和やかなハズの食卓の会話は、一気に『マーケティング戦略会議』に!
飛び交う分析、溢れ出す新戦略!!! ・・・参りマシタ(笑。

豪快に食べてても、分析は冷静。
・・・最初の緊張はどこへやら、
まさか付き合っている人の家族に会って、
お腹が痛くなるほど、笑い転げる羽目になるなんて!
…そしてこの席で、彼の "ストーリーテラー(別名、口八丁・手八丁??)" の血は、
お母さんから受け継いだものであることが、判明した(ニヤリ。
帰り際。
次々に渡された持ちきれない程のお土産を抱えて、玄関先で彼を待っていたら、
2階から降りて来たお母さんが『大っきなので悪りぃんだけど〜、』とのんびりした茨城訛りで、
大きなダイヤのくっついた指輪を、手のひらに握らせてくれた。
昔、旅先でお父さんに買ってもらったものだって。
いつか、古い映画の中で見た、一場面みたいで。
まさか自分の身に起こることになるなんて。
受け取った指輪は小柄なお母さんに似合わず本当に大きくて、
でも、一番 "落ちなさそう" な人差し指にはめてみると、
今まで持っていた人の『何か』が、指を通して確かに、流れ込んでくるのを感じた。
じわり、びびびびっ、と。
・・・緊張したり大笑いしたり、ちょっと感動しちゃったり。
実に忙しかった一日の終わりに私は、
旅の男から預かった携帯電話をどこかで落としていて
後で大変なことになる・・・・・。

マジデスカ
ヒィイ
ィィ〜〜〜〜... (ノ ̄Д ̄;)ノ
本日の距離:50cm
- 2008/06/21(土) 14:57:01|
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東京、3日目、朝。
二人用にはやや手狭すぎたソファーベッドに改善を加えたおかげで、
押しのけ合いながら寝られないのがちょっと寂しい気がしなくもないけれど、その代わり、
本当にホントウに、ぐっすり眠れてしまった。
おはよ ( ' ー ' *) ネグセ〜♪
庭を歩くように、旅の男に案内されて、
築地市場近く、おなじみのお店をハシゴする。
まずは、
『とんかつ 豊ちゃん』で、朝っぱらからオムハヤシ!(苦笑。

朝からど〜んっ!!!
その足で、見逃しそうなちいさな喫茶店
『ぎんぱ』へ。
引き戸一組分、2m弱の幅しかない小さなお店は、
カウンターに座ると後ろの壁が背もたれになる仕組み也。すげー。
もう入らないハズだったのに、
ぽってりしたグラスに入ったミルクコーヒーは、絶妙な甘さと軽さで
ついついもう一口を繰り返してしまう魔のおいしさ、¥300。
ずっとこの場所で愛されて来たのが、よくわかる気がした。
・・・お兄さん、東京帰ってリバウンドしたって、そりゃ仕方ないよ。
そして、私は "ゴハン少なめ" だけど、君が食べてんのはてんこもりデスね?(笑。
とはいえ。奴のおススメを断るのは、愚の骨頂ナリ。
だって、連れて行かれるお店は、一つ残らず美味しいから(苦笑。
・・・『満腹のお腹が重くて動けない小動物』のような気分で、
お昼を前に築地を離れ、有楽町のビックカメラに向かう。
私の可哀想なEOS Kiss DigitalNは、
先日の事故で大破してしまったからだ。
(ノ_・、)シクシク
はじめての一眼デジカメは、知人友人の助言に従って実物も触らずに買っちゃったけど、
今は少し『選択の基準』みたいなものが自分の中にできてきている。
まずは今まで使ってたEOSシリーズをお試し。
うんうん、この感じ。この子、知ってる知ってる(笑。
次に、隣のブースは、
SONYのαシリーズ。
カシャ。
あれ、すごい色鮮やか。・・・いいかも。
実際の『物理的な』光よりも、脳裏に残る『印象色・記憶色』により近い光が撮れる感じ。
ズームレンズのクセに、背景がキレイに抜ける。
実は彼が、同じシリーズの α-100 を使っている。
えらいごっつくて重くて、あんまり好きじゃなかったんだけど(ゴメンよ〜
α-200は少し小さくなって扱いやすい。これはいいかも。 …う〜ん、惚れた!
即決!
少し落ち着いて考えれば?という彼を振り切って、そのままレジへ〜♪
迷い、ナシ。
家まで帰るのを待ちきれず、お行儀の悪いコドモみたいに二人して、
途中、お茶に立ち寄ったカフェで、箱を開けてレンズをセットする(笑。
ふふ〜〜ん (*´∇`*)♪
試し撮り。
・・・本当は一枚目に、『向かいの席に座る旅の男@東京』 を撮ったのだけど。
素人なので、あまり難しく考えなくても思った通りに撮れるのは嬉しい限り。
このぬらっとした質感と色、好きだな。
な〜んちゃって。
・・・こんなことして遊んでるけれど、今日はこれから、
彼の実家へ向かい、ご両親にお会いする予定。
新しいおもちゃにはしゃぐドキドキはじきに、
緊張のドキドキにすり替わる。
今にも雨が降り出しそうで、
東京国際フォーラムの中庭に植えられたケヤキの緑が、曇り空に鮮やかだ。
本日の距離:0cm
- 2008/06/19(木) 23:59:08|
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ベルト着用サインが消えると、
眼下には一面の雲海が広がっていた。
夏至直前の6月の夕空は、午後8時を前に
雲の地平線が白夜みたいな光に染まる。
紀伊半島上空。
ぽん、と飛び降りたら、絶対弾むよな…。
そうとしか思えない密度の高い雲の隙間からは、
砂をまいたようにキラキラと、まばらな街灯りがこぼれて見える。
雲と山とに大事に守られているみたいな、光。
次第に雲が切れて、関東平野の賑やかな夜景が視界を埋めた。
上空から見るゴルフ場の照明は、
いつまで経っても直らない、タチの悪いかさぶたみたい。
沿岸の工場地帯は、そこだけぼうっと、明るく浮かび上がる島。
学生時代から何度も見てきた、
そして今回は随分久しぶりの、羽田上空の懐かしい光景。
風が強かったのか。
飛行機は大きく旋回して、
東京湾を行く船をギリギリにかすめて北側から滑走路に着陸し、
・・・到着口に着くとすぐに、手を振る旅の男の笑顔が見えた。
ここ数日のぎこちなさを、ほんの少し残したまま、
それでも、随分久しぶり!の筈なのに、
会った途端、これがずっと続いていた日常みたいな気がする、不思議。
彼の家がある築地から、晴海どおり沿いに10分も歩けば、もう銀座だ。
そのまま地下鉄に乗って、誘われるままに
赤坂の韓国料理屋さん、
『 一龍 』へ。
ゆっくり煮込まれた、白くて甘い香りの雪濃湯(ソルロタン)が
ここのところ疲れ気味だった身体に、ふわーっとしみこむ。
本当に美味しい料理は、おんなじように、心も元気にする。
・・・人間って、単純だ(笑。
ね、旨いもん食わなきゃダメだよ、と
テーブルの向こうでヤツが笑った。
狭っまいシングルサイズのソファーベッドで、
お互いを邪険に押しのけるようにしながら寝たせいで、
旅の疲れが取れなくったって、ぜんぜん構わない(笑。
よく眠れないまま、聖路加タワーの向こうの空が白むのを、
夢に見た気がする。
本日の距離:0km
- 2008/06/18(水) 18:41:27|
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数日前、珍しくポストに、
ダイレクトメールでも請求書でもない葉書が届いていた。
『 六月を 綺麗な風の 吹くことよ 』
と、裏に、さやかな風になびく柳そのままみたいな字で
子規の俳句がしたためられたその葉書には、
着々と準備の進んでいる、三輪田米山
(※注1)展覧会の案内と
その脇に一言、
『逢ひたい!』
・・・と書き添えてられている。
知り合いの書家のおじいちゃんからの、
なんとも嬉しいラブレターだ(笑。
休日の水曜日。
庭に咲いていたアジサイと小輪のバラをお土産に摘んで、
港に程近いおじいちゃん先生のお宅へ向かった。
私は、ひんやりと涼しいこの古いお家の書斎に座って、
先生の話を聴く時間が大好きだ。
休みの日にゴロゴロと無駄に時間を潰すより、こうして
何度聴いても笑顔になってしまう奥さまとの思い出話や
生徒さんたちとのあれこれを聴いているほうがずっと、
心も身体もリラックスできるから不思議で…。
今年数えで80歳、というこの先生から感じるものは、
ただただ圧倒的な 『謙虚さ』・・・。
何かひとつのものを、とことんまで極めつくしてしまったから、
その道の目の眩むような深遠を共に目にしてしまったからこそ逆に
謙虚にならざるを得ない。
そんな朗らかで、からり、とした空気。
目を潤ませて前のめりになって話し、からからと気持ちよく笑う人。
以前私に会った翌日に、向かいの神社で見つけたのだ、と
乾かし方を間違えてボロボロになった四葉のクローバーを
丁寧に袋に入れて、手渡してくれた。
素直に、心から嬉しい(笑。
ありがとうございます。
帰り際に先生は、短冊を一枚、書いてくれた。
万葉仮名交じりで 『おしあわせに』 と、ある。
『しあわせ』 は。
『幸せ』 ではなく 『仕合せ』 って書くものなんだ、って。
お互いに相手のことを思い遣って、
仕えあうことがしあわせなんだ、と。
原因が何であれ。
不満ばっかり抱えてた自分が、何だか可笑しくなる。
そうだったそうだった。
楽しい時間って、そうやって作るものだった。
明日には久しぶりに彼と会えるのに、
なぜだか不安の方が大きかった心が少し晴れて、
忘れかけた大事なことを少し、心に取り戻すことができた気がした。
着信、そして、返信。
>19:55 Sub:明日
>
>羽田到着の時間&便名、
>メールよろしくです。
>20:51 Re:明日
>
>ANA5X8便、19:30頃の出発なので、
>21時前くらいの到着になると思います。
>
>今から帰って、荷造りします!
>
明日の夜には、東京だ。
本日の距離:671.3km
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※注1三輪田米山(みわだべいざん) 1821-1908
幕末から明治にかけて、四国、伊予の国で、天衣無縫な書を残した書家。
伊予の人々に愛され、88年の生涯で3万点もの書を残したと言われている。
愛媛県内には今も、米山揮毫による多くの石文が残されている。
・・・誰かに似ている。 いや、 『何かに』、か??(ゴメンナサイっ!!!

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三輪田米山の石文を歩く
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酒を飲まぬと、筆をとる事難し 〜伝説の書家 三輪田米山〜
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